確定申告で控除される?葬儀費用と所得税・相続税の仕組みとは

「葬儀費用について、税金の控除は受けられるの?」

「葬儀費用で相続税が減額できる?」

手続きや葬儀が落ち着いた頃、ふと気になることもあるのではないでしょうか。
ご家族が病気だったときに、医療費控除を活用したご経験もあるかと思います。

この記事では、所得税・相続税における葬儀費用の考え方について詳しく解説します。
ご家族が亡くなったときに受けられる税金の控除についても紹介していますので、参考にしていただければと思います。

 

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確定申告では葬儀費用は控除されない

税金の申告には、所得税・相続税といった種類があります。
所得税の確定申告では、葬儀費用は控除されません。

 

確定申告とは


出典:個人事業主メモ

確定申告とは、一年間の所得を納税者自身が計算し、税務署に申告する手続きです。
所得税は、その年中の所得から控除を差し引きした金額に、所得税率をかけて計算します。
一般的に、所得になるものと控除になるものには下記のようなものがあります。

所得になるもの
  • 事業をしている場合の事業利益
  • 給与や報酬
  • 保険の満期金や解約返戻金の受取
  • 株の譲渡益や配当

 

控除されるもの
  • 10万円を超える医療費
  • 健康保険や国民年金などの社会保険料
  • 税額控除の対象となる生命保険料、損害保険料
  • ふるさと納税など国が指定する寄付金

 

亡くなった方に、亡くなるまでの所得がある場合は亡くなった方の準確定申告が必要なので、忘れずに申告しましょう。
申告期限は相続の開始を知った日から4か月以内です。

死亡日までに支払ったものについては、亡くなった方の社会保険料や生命保険料も控除することができますので、忘れず申告しましょう。
なお、亡くなった方の所得税は法定相続人であるご家族が、按分して負担することになります。
多くは法定相続分で負担割合を決めますが、遺産分割が決まっている場合は、遺産分割の割合によって按分することもあります。

葬儀費用については、所得税の確定申告では控除することはできません。

 

葬儀費用は「相続税」の控除対象

葬儀費用は相続税の控除対象です。
相続税が発生する場合、遺産の総額から葬儀にかかった費用を控除することができます。
ただし、控除できる葬儀費用・できない葬儀費用は明確に定められているため、きちんと洗い出して計算しましょう。

相続税から控除できるもの
  • 通夜や告別式で葬儀社に支払った費用
  • 通夜や告別式の飲食費用
  • 通夜や告別式当日に参列者に渡す会葬御礼費用
  • 葬儀のお手伝いをしてもらった人への心付け
  • お寺・神社・教会などに支払ったお布施・読経料・戒名料など
  • 埋葬・火葬・納骨にかかった費用
  • 遺体や遺骨の搬送にかかった費用

 

相続税から控除できないもの
  • 香典返しのためにかかった費用
  • 墓石や墓地の購入費用や借入料
  • 初七日や法事にかかる費用

 

相続税から控除できるものについても、相場より高すぎる料金だと、控除として認められない場合があります。
明確に金額が法律で定められているわけではありませんが、「社会通念上妥当な額」という風に決められています。
葬儀を手伝ってもらった友人知人に高額な心付けを渡し、相続税を軽減するようなことは、見つかれば重い罰則の対象になりかねません。
実際にかかった額をきちんと精査して控除し、わからない場合は税理士などの専門家に確認すると安心です。

 

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相続税の申告は確定申告とは別

続いて、相続税の仕組みについて解説します。

 

相続税の申告は相続を認知した日から10か月以内


出典:相続税に強い税理士ナガエ

相続税の申告期限は、相続の開始を知った日から10ヶ月以内です。
その間に遺産の分割について法定相続人で話し合い、遺産分割協議書を作成した上で申告する必要があります。

遺産分割がなかなかまとまらず、相続税の申告期限を過ぎてしまいそうなときは、とりあえず代表者を決めて一旦納税をしてしまうことがほとんどです。
しかし、きちんと遺産を分割して申告しないと、小規模宅地の特例など相続税を軽減する特例が適用できず、相続税が高額になってしまう可能性が高いです。

亡くなった方に財産がある場合は、葬儀などの手続きが落ち着いたら、早めに法定相続人で集まる場を設けましょう。
10ヶ月以内に遺産分割を完了させ、特例を適用して申告納税することで、それぞれの相続税の負担も軽いものになります。

また、借金などマイナスの遺産の方が多い場合は、相続を放棄することもできます。
相続の放棄については、3ヶ月以内にする必要があります。
3ヶ月を過ぎると、「相続放棄をしない=相続を承認した」とみなされるので、注意が必要です。

 
遺産分割がまとまらないうちは、銀行口座も凍結され、預金を引き出すことができません。
死亡後の預金の取り扱いについては、下記の記事で詳しく解説しています。
参考

死亡手続きと銀行口座の凍結|遺産分割協議と相続税の申告
「故人の名義の銀行口座に預金がある」そんな時、その預金を遺族といえど自由に引き出すことはできません。亡くなってしなった方の銀行口座の預金は、相続の扱いになる...

 

基礎控除以内の額なら相続税はかからない


出典:相続ハウス

相続税は、一定の財産の範囲内であれば、課税されません。
相続税が課税されない金額を基礎控除といい、基礎控除は下記の計算式で計算します。

3,000万円+600万円×法定相続人の数=基礎控除の金額

 
例えば、夫が死亡し法定相続人が「配偶者と子ども2人」だった場合の計算式は下記の通りです。

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

 
なお、法定相続人とは民法で定められた相続人のことで、親族全員が該当するわけではありません。
先ほどの例で、死亡した夫に兄弟姉妹がいた場合、夫の両親が存命中の場合でも、法定相続人は「配偶者・子ども2人」の合計3名です。

法定相続人と法定相続割合については民法で順位が定められており、上位の順位に該当する方がいない場合に、下位の順位が適用されます。
法定相続割合は相続税の金額の元になる割合で、この通りに遺産分割をしなければならないという決まりではありません。
実際の遺産分割で決め手に欠けるときには、法定相続割合が参考にされる場合もあります。

順位法定相続人法定相続割合
第1順位配偶者+子ども1/2+1/2
第2順位配偶者+両親2/3+1/3
第3順位配偶者+兄弟姉妹3/4+1/4

相続税の仕組みについては、下記の動画で紹介されているので、よろしければ参考にしてください。

 

相続税の非課税枠


出典:相続情報ラボ

相続税には、基礎控除以外にも、相続税がかからない範囲を定めた非課税枠が存在します。

生命保険金の非課税枠 … 500万円×法定相続人の数
死亡退職金の非課税枠 … 500万円×法定相続人の数

 
それぞれ、非課税枠の範囲内であれば、保険金や死亡退職金の受け取りがあっても、相続税は課税されません。

一般に、保険金については相続税が課税されないイメージを持っている方も多いですが、非課税枠を超える保険金については、しっかり相続税が課税されるので注意しましょう。
高所得者が相続税対策として保険を活用することもあるため、設けられている基準です。

死亡退職金については、死亡によって職場から受け取った退職手当金や功労金などで、死亡後3年以内に支給が確定したものが対象です。

 

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相続人の医療費控除になる場合もある


出典:小田原青色申告会

日本では、所得税は「申告納税制度」が採用されています。
つまり、自分の税金は自分で計算し、計算結果を国に報告(申告)するとともに、自分で計算した金額を所得税として納めるということです。
逆にいうと、適用できる控除があったとしても、国からは全く教えてくれません。
納税者が自己責任で情報収集し、自分から申告する必要があります。

亡くなった方の医療費を、同居のご家族が負担していたということもあると思います。
その場合、医療費控除は負担した方の確定申告で控除することができます。
医療費控除が認められる要件は、下記の通りです。

  • 自分や自分と生計を一にする配偶者・その他親族の医療費
  • その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費(未払分は含めない)

医療費控除は、ご家族全体の医療費の合計額が10万円を超えた場合、10万円を超えた金額が所得から控除されるという仕組みです。
ご家族全体の医療費の合計額が60万円であれば、50万円を所得から差し引くことができます。

医療費控除は、医療を受けた方ではなく、医療費を負担した方から控除できるという考え方ですので、対象になる場合は忘れず確定申告をしましょう。

 

まとめ

  • 葬儀費用は所得税ではなく、相続税の控除対象。
  • 控除できる葬儀費用とできない葬儀費用を明確に分けて申告する。
  • 基礎控除の範囲内であれば相続税は発生しない。
  • 遺産の放棄や相続税の申告には期限があり、過ぎると手続きできなかったり、税金が多くなるので注意する。
  • 医療費控除は負担した方の所得から控除できる。

 

税金については、知らないうちに損をしてしまうこともありうるので、しっかり情報収集をして期限内に申告することが大切です。
相続税は特例なども多く計算が複雑なので、できれば税理士などの専門家の力を借りて申告しましょう。

 

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