保険の受取人が死亡したら?知らないと損する相続税と保険の知識

生命保険をかけていれば、被保険者が亡くなったときは忘れず手続きしますよね。
しかし、受取人が亡くなったときというのはつい手続きを忘れてしまいがちです。
受取人が亡くなってから変更手続きをしないまま、被保険者が亡くなったとき、保険金はどこにいくのでしょうか。

実は、受取人の変更手続きをしなかったがために、余計な相続税がかかることもあるんです。
せっかく長年かけ続けた保険で、損をしたくないですよね?
この記事では、受取人を変更しないまま被保険者が亡くなった場合の保険金の取り扱いや相続税の考え方について、詳しく解説します。

 

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保険受取人が死亡した場合には変更手続きをすることが第一


出典:FPによる生命保険・損害保険の選び方講座

保険の受取人が死亡したときは、忘れず変更手続きをしましょう。
受取人を誰に変更するかは契約者が決めることになります。
コールセンターに問い合わせ、受取人を変更したいと伝えましょう。

ただし、受取人は誰でも指定できるわけではありません。
保険金詐欺などの犯罪を防止するため、保険受取人に指定できるのは「二親等以内の血族」とされています。
二親等以内の血族とは、「配偶者・親・子・孫・祖父母・兄弟姉妹」です。
しかし、どうしても保険受取人に指定できる人がいないときは、生命保険会社の判断をあおげば三親等以内の血族を指定できる場合もあります。

契約者は、保険期間中であればいつでも保険受取人を変更できます。
通常は保険の対象となっている被保険者と、保険料を負担する契約者は同一人物ですが、もし異なる場合は被保険者の同意が必要です。

また、保険受取人は2人以上を指定することもできます。
そのときは、受取人ごとに受取割合を指定して分ける必要があります。

 

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保険受取人の変更手続きがされていない場合

続いて、保険受取人の変更を忘れたまま、被保険者が亡くなり保険金が発生してしまった場合について解説します。

 

保険契約の約款もしくは保険法に従って保険金を受け取る

本来は、被保険者が亡くなれば保険受取人が保険金を受け取ります。
しかし、保険受取人も亡くなっていた場合は、保険契約の約款もしくは保険法に従って保険金を受け取る権利が発生します。

保険契約の約款で既に受取人が決まっている場合は、特に問題にはなりませんが、保険契約の約款で定められていない場合は保険法46条によって処理されることになります。

 

保険受取人の相続人が複数人の場合の相続割合は平等


出典:相続のバイブル

保険法46条では、受取人が亡くなっているときは、受取人の法定相続人全員が頭割りで保険金を受け取れることが定められています。
ここで重要なのは、次の2点です。

  • 保険金を受け取れるのは、被保険者ではなく受取人の相続人であること。
  • 受け取れる保険金額は法定相続分ではなく、頭割りであること。

 

事例
夫:今回亡くなった被保険者。契約者として保険料も支払っていた。
妻:保険受取人。1年前に亡くなっていたが、変更手続きをしていなかった。

このとき、夫と妻それぞれの法定相続人の順位は下記の通りです。

夫:①子→②夫の両親→③夫の兄弟姉妹
妻:①子→②妻の両親→③妻の兄弟姉妹

もし子がいた場合は、配偶者が亡くなっているため子だけが法定相続人です。
夫と妻の法定相続人は同じなので、特に問題にはなりません。
しかし子がいなかった場合、夫がずっと負担していた保険料であっても、全て妻の両親もしくは妻の兄弟姉妹の頭割りとなってしまうのです。

 

法定相続分は民法で下記のように定められています。
相続財産と保険金を混同して同じように法定相続分が適用されると勘違いしてしまいがちですが、保険金は保険法の定めに従い頭割りで受け取るので、注意が必要です。

法定相続人法定相続分
配偶者と子1/2 : 1/2
配偶者と父母2/3 : 1/3
配偶者と兄弟姉妹3/4 : 1/4

 

参考 相続税の仕組みについては、下記の記事でも詳しく解説しています。

確定申告で控除される?葬儀費用と所得税・相続税の仕組みとは
この記事では、所得税・相続税における葬儀費用の考え方について詳しく解説します。ご家族が亡くなったときに受けられる税金の控除についても紹介していますので、参考にしていただければと思います。

 

死亡した保険受取人に法定相続人がいない場合

保険受取人に法定相続人がいなかったときは、保険会社が裁判所に申し立てをします。
裁判所は「相続財産管理人」を選定し、残った財産は国庫に帰属します
そうすると、長年保険料を負担した保険が、国にかえってしまうことになりかねません。
受取人の変更は、忘れずに済ませるようにしましょう。

 

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受取人を変更していないと相続税が増えることがある

最後に、保険金の受け取りと相続税の関係について解説します。

 

死亡保険金は相続税・贈与税・所得税の課税対象


出典:保険の教科書

死亡保険と税金の関係について説明する前に、下記の3種類の関係者について理解してください。
ここを抑えておくと、保険と税金の話がスッキリと理解できます。

契約者 … 保険料を払う人
被保険者 … 死亡したとき保険金が発生する人
受取人 … 保険金を受け取る人

 

通常は、「契約者=被保険者」であることがほとんどです。
例えば、一家の大黒柱である夫が保険料を負担し、自分が死亡したときに妻が保険金を受け取れるようにしておくといったケースです。
この場合、契約者・被保険者は夫、受取人は妻です。
妻が受け取った保険金は、民法上の相続財産にはなりませんが、「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。

保険と税金の関係については、下記のようになります。

相続税
契約者・被保険者:夫
受取人:妻

先ほど紹介した一番ポピュラーなケースです。
夫が死亡して相続が発生したとき、妻が保険金を受け取り、相続税を負担します。

 

贈与税
契約者:夫
被保険者:妻
受取人:子

妻が死亡して相続が発生したとき、夫が支払った保険の保険金を子どもが受け取るケースです。
妻自身が保険料を負担していないため、相続税は課税されず、夫から子どもへの贈与という扱いになります。

 

所得税
契約者:夫
被保険者:妻
受取人:夫

妻が死亡して相続が発生したとき、夫が自分で支払った保険の保険金を自分で受け取るケースです。
自分で払って自分で受け取っているため、他の年金保険などと同じように、夫個人に所得税が課されます。

 

保険金は相続財産ではないが相続税が課税される


出典:税理士法人Bridge東京

受取人が被保険者自身だったり、受取人が指定されていないなどの特殊な場合を除き、保険金は民法上の相続財産にはなりません。
つまり、遺産分割の対象にもならないということです。
あくまで、受取人として指定された人物が受け取ることができます。

しかし、保険金は税法上の「みなし相続財産」として、相続税が課税されます。
保険金には税金がかからないと誤解している方もいますが、一定の金額を超えれば相続税の課税対象となります。

相続税は、基礎控除という相続税のかからない範囲を超えたとき、課税されます。
基礎控除は下記の計算式で計算します。

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

 

不動産や現預金などをすべて合算して、基礎控除を超える財産があって初めて、相続税は課税されます。
また、法定相続人が保険金を受け取った場合の非課税枠という優遇も存在します。
非課税枠は下記の計算式で計算します。

500万円×法定相続人の数

 

この非課税枠は、亡くなった方の法定相続人が保険金を受け取った場合しか活用できません。
そのため、受取人の変更を忘れたままになっていると、非課税枠を活用することができず、保険金に相続税が課税されることがあります。
先ほどの事例を元にすると、下記の通りとなります。

事例
夫:今回亡くなった被保険者。契約者として保険料も支払っていた。
妻:保険受取人。1年前に亡くなっていたが、変更手続きをしていなかった。

このとき、夫と妻それぞれの法定相続人の順位は下記の通りです。

夫:①子→②夫の両親→③夫の兄弟姉妹
妻:①子→②妻の両親→③妻の兄弟姉妹

妻の法定相続人として、子が保険金を受け取ったとき、子は夫の法定相続人でもあるので、非課税枠が活用できます。
しかし、妻の法定相続人として妻の両親・兄弟姉妹が保険金を受け取ったとき、夫の法定相続人には該当しないため、非課税枠は活用できません。

 

また、財産を取得した人が被相続人の一親等の血族でないとき、相続税が2割増しで課税されるという制度があります。
妻の両親・兄弟姉妹であれば、相続税が課税される場合は2割加算の対象となり、相続税が余計に発生してしまいます。

相続税の基礎控除や仕組みについては、下記の動画で詳しく解説されています。

 

まとめ

  • 受取人が死亡しているとき、保険金は受取人の法定相続人が頭割りで受け取る。
  • 被相続人と受取人の法定相続人が異なることから、生命保険の非課税枠が活用できないことがある。
  • 受取人の法定相続人が子以外であれば、相続税が2割増しで課税されることがある。

今回の記事では、受取人を変更しないまま相続が発生してしまったときの保険金の取り扱いと税金の関係について解説しました。
受取人が先に亡くなってしまったときは、忘れないうちにすぐに変更手続きをしておきましょう。

参考 亡くなった方に所得がある場合の準確定申告については、下記の記事で解説しています。

準確定申告にマイナンバーは必要?必要書類と申告手順を詳しく解説
この記事では、準確定申告の必要書類やマイナンバーの記載が必要かどうかについて、詳しく解説します。ご家族が亡くなってこれから準確定申告をする予定の方はぜひ参考にしてください。

 

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