【現金・株式・不動産】生前贈与の手続き&必要書類や考え方まとめ

相続対策として最もシンプルで効果的なのは「生前贈与」です。

相続税がかかる見込みの方は、計画的に生前贈与をすることで、家族の負担を減らすことができます。
  • 現金や株式、不動産の生前贈与手続き
  • 贈与契約書を作成するときの注意点
  • 贈与を受けた場合の贈与税の申告

この記事では、上記のような生前贈与の方法やポイントについて詳しく解説します。

相続税がかかる見込みで、事前に相続対策をしておきたい方はぜひ参考にしてください。

 

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生前贈与の手続きの必要書類は対象によって異なる

  • 相続税と基礎控除
  • 計画的な生前贈与
  • 贈与契約書は全ての贈与対象において有効
  • 贈与契約書の記載事項と作成例

まず、生前贈与に必要な贈与契約書について解説します。

 

相続税と基礎控除


出典:税理士ドットコム

財産総額が基礎控除を超えると、故人の財産を相続する際に相続税がかかります。

基礎控除は以下の計算式で求めます。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば、「夫・妻・子」の家族構成で夫が死亡した場合、法定相続人は「妻・子」の2人なので、基礎控除は4,200万円となります。
このとき、夫の預貯金・株式・不動産などをすべて合算した財産総額が基礎控除の4,200万円を超えていれば、相続税が発生します。
財産が基礎控除の範囲内であれば、相続税は一切かかりません。

 

明らかに基礎控除の範囲内に財産がおさまるのであれば、相続対策は特に必要ないでしょう。

しかし、基礎控除を超えるか超えないかの瀬戸際だと、相続対策をするかどうかで支払う税金が大きく変わる可能性があります。

 

また、明らかに基礎控除を超えるという場合も、事前に計画的な相続対策を進めておけば、かなり相続税を減らすことができます。

 

遺された家族の負担を減らすためにも、できれば相続税は減らしたいですよね。

生前贈与で計画的に相続対策をすることをおすすめします。

 

計画的な生前贈与

生前贈与による相続対策はとてもシンプルです。

事前に子や孫に財産を贈与しておくことで、財産総額を減らすことができ、相続税が少なくなります。

ただし、注意しなければならないのは、財産を贈与した場合には贈与税がかかるという点です。

贈与税と相続税の税率は異なるため、贈与した方が得なのか、相続で引き継いだ方が得なのか、よく検討する必要があります。

 

贈与税には、毎年110万円までなら贈与税がかからないという非課税枠があります。
詳細なシミュレーションができない場合でも、110万円以下の贈与であれば、贈与税の負担が全く発生しないため、損をすることなく確実に相続対策ができます。

これは、子や孫が多い場合に特に効果的な方法です。

 

例えば子が4人、孫が6人いる場合、10人全員に110万円ずつ贈与すれば、1年間で1,100万円もの財産を贈与税を負担することなくご家族に引き継ぐことができるのです。

ただし、死亡前3年以内に相続人に贈与した財産については、相続財産に含まれてしまうため、注意が必要です。
生前贈与は直前にやっても効果が薄いので、早めに計画的に進めることが大切です。

 

参考 相続税の申告や基礎控除の考え方については、下記の記事でも詳しく解説しています。

確定申告で控除される?葬儀費用と所得税・相続税の仕組みとは
この記事では、所得税・相続税における葬儀費用の考え方について詳しく解説します。ご家族が亡くなったときに受けられる税金の控除についても紹介していますので、参考にしていただければと思います。

 

贈与契約書は全ての贈与対象において有効

家族間で贈与をする場合、贈与契約書を残しておくことのも大切です。
家族間の贈与の場合は特に、税務署から贈与の根拠を求められることが多いためです。

 

相続税の調査では、税務署は過去10年以上の銀行の通帳の動きや財産の移動を徹底的に調べます。

その中で、家族間の贈与の事実をきちんと証明できなければ、贈与がなかったものとされ、せっかく贈与した財産が相続財産に組み込まれてしまうこともあるのです。

 

家族間で贈与するときは、税務署に対して贈与の根拠を示せるよう、証拠となる書類を準備しておくことが大切です。

贈与の事実を示す根拠書類として一番明確なのは「贈与契約書」です。

現金・株式・不動産など対象が何であれ、贈与契約書は残しておくようにしましょう。

 

贈与契約書の記載事項と作成例


出典:税理士法人チェスター

 

贈与契約書の作成例は下記のとおりです。

贈与契約書

贈与者〇〇と受贈者〇〇は、下記の通り贈与契約を締結した。
贈与者〇〇は、受贈者〇〇に下記の財産を贈与し、受贈者〇〇はそれを受諾した。

現金 百十万円

上記契約の証として、本契約書を2通作成し、各自一通を保管するものとする。

〇年〇月〇日

贈与者 住所・氏名
受贈者 住所・氏名

 

住所・氏名はそれぞれが自著捺印するようにしましょう。

贈与する財産が不動産の場合は、下記のような内容も契約書に記載しておきます。

土地所在・地番・地目・地積
建物所在・家屋番号・種類・構造・床面積

 

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現金を生前贈与する場合こそ贈与契約書が重要

現金贈与は最もシンプルな相続対策だからこそ、きちんと根拠を残しておくことが重要です。

現金贈与の方法や注意点について解説します。

 

贈与が成立しているかどうかは総合的に判断される

贈与契約書の作成とあわせて非常に大切なのが、贈与した相手にきちんと贈与の事実を知らせておくことです。

例えば、親が子の名義の通帳を作って自分の通帳から資金移動をし、自分と子の贈与契約書を作成し保管していたとしても、子が贈与の事実を知らなければ贈与契約は無効とされます。

 

贈与契約が成立しているかどうかは、「子が贈与の事実を認識しているか」「財産は子が自由に使える状態だったか」といった点から総合的に判断されます。

 

通帳や印鑑を親が管理している場合は、贈与とは認められないケースが多いため、注意しましょう。

 

子が遠方で一人暮らしをしている場合は、子の住んでいる場所に近い支店で子の名義の通帳を作り、贈与した方が贈与の事実を証明しやすくなります。

 

金額を明確にするために口座振替がおすすめ

通帳を通さずに現金だけでやり取りをしてしまうと、贈与の事実が確認しにくくなります。

できれば、親の通帳から子名義の通帳へ資金移動をするようにしましょう。

贈与契約書の日付で資金移動をし、贈与の事実をきちんと子に知らせておくことで、贈与契約を証明することが可能になります。

 

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株式を生前贈与する場合の手続き

続いて、株式を生前贈与する場合の手続きの流れや、準備しなければならない書類について解説します。

 

証券会社によって振替先の規定が異なる

一般的に、株式を贈与するためには下記の書類の提出が必要です。

  • 贈与の依頼書
  • 移管の申出書
書式は証券会社が準備しているため、窓口に出向くか請求して送ってもらうようにしましょう。

また、贈与を受ける人が新たに口座を開設する必要があります。

 

証券会社の繁忙期や所有している株式の決算期などによって手続きには時間がかかるため、早めに準備するようにしましょう。

 

また、上記書類とは別に贈与契約書を作成し、コピーを証券会社に提出する必要があります。

 

参考 株式贈与契約書の書き方や書式

株式贈与契約書の書き方 | 贈与・譲渡に関する契約書の書き方 |文例書式ドットコム
このページは、「株式贈与契約書」の書き方(雛形・テンプレート・フォーマット・サンプル・例文・定型文)をご提供しています。 「株式贈与契約書」作成の際にご活用ください。

 

贈与契約書に必要な項目

贈与契約書には「銘柄名及び株数」を明記します。

贈与申告をする際の株式の評価額にもかかわってくるため、必ず「契約の締結日」を記載します。

 

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不動産を生前贈与の場合は名義変更が必要

続いて、不動産を生前贈与する場合の登記手続きや税金について解説します。

 

不動産の生前贈与は慎重に行う

現金贈与の場合は、受贈者は受け取った現金の中から贈与税を支払うことも可能です。

しかし不動産贈与の場合、手元の現金は増えないにもかかわらず、多額の贈与税を支払う必要があります。

受贈者とよく相談のうえ、あらかじめ贈与税を試算して贈与を実行するかどうかを決めましょう。

 

不動産を生前に贈与するメリットは、特定の不動産を特定の人に確実に譲れるという点です。

相続の場合は、相続財産は相続人間の話し合いで分割協議されるので、被相続人の意向が反映されるとは限りません。

 

遺言書等で不動産を特定の相続人が引き継げるよう指定することはできますが、遺言書そのものが無効にされてしまうリスクなどを考えると、やはり確実とは言い切れません。

その点、生前に贈与して登記まで完了させておけば、覆される心配はないでしょう。

 

贈与登記に必要な書類

不動産を贈与した場合、下記の書類を持参して法務局で登記申請をする必要があります。

  • 不動産の登記済み権利証
  • 贈与者の印鑑証明書
  • 受贈者の住民票
  • 贈与契約書
  • 固定資産評価証明書

 

自分で出来ない場合は、司法書士に手続きを委任することのが確実で簡単です。
その場合は、別途司法書士報酬が発生します。

 

登録免許税と不動産取得税


出典:横浜市

不動産を贈与した場合、受贈者は贈与税以外にも登録免許税不動産取得税を負担する必要があります。

登録免許税は、固定資産税評価額の2%です。
不動産取得税は、土地と住宅用建物の場合は固定資産税評価額の3%、住宅以外の建物の場合は固定資産税評価額の4%です。

不動産の評価額×2%なので、かなり高額になることも多いため、事前にしっかり確認しておきましょう。

固定資産評価額贈与の登録免許税相続の登録免許税
1,000万円20万円4万円
3,000万円60万円12万円
5,000万円100万円20万円
1億円200万円40万円

 

生前贈与を受けた場合の贈与税の申告と必要書類

最後に、生前贈与を受けた場合の贈与税の申告の仕方や必要書類について詳しく解説します。

 

申告期限と申告先

贈与税は個人から財産をもらったときにかかる税金です。

1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計額をもとに計算されます。
複数の人から財産の贈与を受けた場合も、受贈者単位で合算されるため、注意が必要です。

 

贈与税には110万円の基礎控除がありますので、受け取った財産が110万円以下なら、贈与税は発生しません。

(例)

ある年に父から不動産90万円、母から株式10万円をもらった場合は、贈与された財産の合計額が100万円で、基礎控除の110万円以下なので、贈与税は発生しません。
父から不動産90万円、母から株式50万円をもらった場合は、贈与された財産の合計額が140万円となり、基礎控除の110万円を超えるため、贈与税が発生します。
このとき、140万円から基礎控除の110万円を差し引いた30万円に対して贈与税がかかります。

 

贈与税の申告期限・納付期限は、贈与を受けた翌年の3月15日です。
申告書は、受贈者の住所地の管轄の税務署に提出します。

早めに贈与契約書等を持参し、税務署に相談しておくと安心です。

 

贈与税については、下記の動画でもわかりやすく解説されています。

贈与税の基礎知識

 

贈与手続きに必要な書類

贈与税の申告をする場合、基本的には贈与税の申告書に必要事項を記入して提出すればOKです。

ただし、書き方も含めて税務署に相談する場合は、下記の書類を持参するようにしましょう。

  • 贈与契約書
  • 資金移動した通帳のコピー
  • 不動産の謄本
  • 固定資産税の課税明細
  • 株式の評価額が確認できる資料

 

まとめ

  • 生前贈与は相続対策として効果的。
  • 生前贈与をする場合は贈与契約書を作成し、贈与の事実を証明できるようにしておく。
  • 現金・株式・不動産など贈与する財産の種類によって手続きは異なる。
  • 贈与を受けた場合は贈与税の申告が必要。

せっかくの相続対策が無効にならないよう、きちんと必要書類を準備し、保管しておくことが大切です。

 

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