キリスト教に死装束はない?宗派によって違う葬儀の流れと作法

キリスト教を信仰している方は日本にも多くいます。
葬儀も当然、信仰しているキリスト教の宗派にのっとってすることになるでしょう。

しかし、キリスト教の葬儀に参列する機会が少ないと、いざという時戸惑いますよね。

キリスト教といっても、カトリックかプロテスタントかという宗派によっても儀式や流れは大きく違ってきます。
この記事ではキリスト教の死装束について、また宗派別のご臨終から葬儀、埋葬までの流れを解説します。

 

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キリスト教に死装束はない

ご遺体を納棺する際に着せる服を死装束といいます。
結論からいうと、キリスト教に定められた死装束はありません
服装は自由なので、死に化粧を施し故人の愛用していた服を着せるのが一般的です。
また、明確な決まりごとではありませんが、胸の上で組ませた手に十字架を持たせたり、聖書を置いたりします

 

死装束は宗教・宗派・地域によって異なる

死装束は宗教や宗派、また国や地域によって大きく異なります。
仏式では「死者は浄土へ向けて旅立つ」とされているため、巡礼者や修行僧の衣装を着せます。
しかし、仏教でも浄土真宗の場合は「死者は旅をせずすぐに極楽浄土へいく」という教義から、晴れ着や白の普段着を着せるのが一般的です。
神道では白の小袖が伝統的で、神職の身なりをさせることもあります。


出典:株式会社東京博愛社

 

仏教
  • お経を書いた白地の経帷子(きょうかたびら)を着せる
    (左前にあわせる)
  • 手に手甲(てっこう)、脚に脚絆(きゃはん)をつける
  • 天冠(てんかん、てんがん)と呼ばれる白の三角布を頭につける
  • 手に数珠を持たせる
  • 首から白の頭陀袋(ずだぶくろ)を下げる
    (三途の川の渡し賃として、中に紙の六文銭を入れる)
  • 白足袋(しろたび)とわらじをはかせる

 

神道
  • 白の小袖(こそで)または白の狩衣(かりぎぬ)を着せる
  • 笏(しゃく)を持つ
  • 白足袋(しろたび)をはかせる

 

海外でのヒンズー教徒の葬儀では、故人の国籍に応じて伝統的な民族衣装を着せる場合があります。
アメリカの軍隊では軍服を着用させるなど、職業によっても変わるといえます。

また、最近ではしきたりにこだわらず、新しいきれいな寝間着や故人が愛用していた服を着せることも多いです。

 

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キリスト教の臨終から葬儀までの流れ

キリスト教では死は帰天といわれ、「地上での罪が許され永遠の安息を与えられること」とされています。
そして、いずれ訪れる復活の日までを天国で過ごすのです。
そのため、葬儀よりも「どのように死を迎えるか」を大切にします。

危篤に至った場合は洗礼を受けた宗派の教会に連絡し、カトリックの場合は神父、プロテスタントの場合は牧師に来てもらいます。

 

カトリックの場合

カトリックの場合終油(しゅうゆ)の秘跡(ひせき)という病人を救う儀式をします。
神父が到着する前に下記のものを準備しておきましょう。

  • 白い布をかけた小机
  • 十字架
  • ロウソク
  • 聖書
  • 聖水(祈りをささげて清めた水)
  • 聖油壺
  • 綿やタオル

神父が到着した時にまだ信者の意識があれば、まず告解(こっかい)をします。
告解とは「犯した罪を告白し、神に許しを請うこと」です。
病人が神父に罪を打ち明け、神父は病人のためにすべての罪からの解放と永遠の安息を祈り、聖書を朗読します。
続いて神父は秘跡(ひせき)の言葉を唱えながら、病人の額と両手に聖油(せいゆ)を塗ります。
聖油を塗ることで、病苦と戦う力が与えられるといわれています。

次に聖体拝領(せいたいはいりょう)という儀式をします。
神父は祈りをささげながら病人に「聖体」であるパンとぶどう酒を与え、口に含ませます。
キリスト教では、パンはキリストの肉体、ぶどう酒はキリストの血を意味するといわれます。
パンとぶどう酒、つまりキリストの「聖体」を「拝領」することで、病人は復活の保証を得ることができます。
神父が祈りをささげる時、家族も一緒に祈ります。

臨終を迎える時、神父は臨終の祈りを唱え、罪の赦しと神の加護を願って祈ります。

ご臨終を迎えたあと、ご遺体を湯でふいて清め、死に化粧を施します。
死に化粧はできるだけ遺族の手でするのがよいとされます。
男性の場合は髭を剃り、女性は髪を整え、薄化粧をします。
故人が愛用していた服を着せ、納棺式に移ります。
 

神父と遺族で故人の周りに集まり、ともに祈りをささげ、聖書の朗読や聖歌の合唱をします。
神父の「納棺の言葉」のあと、故人の手を胸の上で組み、故人が生前愛用していたロザリオを持たせます
ロザリオとは数珠と十字架をつないだもので、キリスト教で祈りをささげる時に使います。
故人の周りにカーネーションや菊などの白い花を飾り、納棺します。
キリスト教では黒の布棺を使うか、黒い布を棺の上にかけます。

カトリックにはもともとお通夜の習慣はありません。
しかし、日本社会の慣習からお通夜をすることも増えています。
枕元に小机を置き「十字架・ロウソク・遺影・生け花・聖水・故人の愛用していた聖書」を置きます。
小机には故人が愛用していたものを飾る場合もあります。
また、宗派によってはお香をたくこともあります。
他に、献花用の白い花や聖書・聖歌集も用意します。

お通夜の流れは「聖歌合唱→聖書朗読→神父の説教→お祈り→焼香や献花、聖水撒布(せいすいさっぷ)」が一般的です。
献花や聖水撒水は「神父→遺族→参列者」の順でします。
最後に遺族代表が参列者に感謝の言葉を述べます。
お通夜のあとには参列者に簡単な茶菓子や食事を出し、故人を偲びます。

死に化粧やご遺体の清め方については下記の記事で詳しくふれています。
関連 湯灌の時間と役割|遺族の立会いや故人の愛用品でのお化粧について

プロテスタントの場合

プロテスタントの場合、儀式そのものよりもそれぞれの信仰心を大切に考えます。
そのため、形式にこだわらず自由度が高いという特徴があります。
カトリックと比べると装飾もシンプルで、祈りや聖書の朗読が中心です。
また、賛美歌や聖書の朗読箇所は故人が好んでいたものとなるため、事前に確認しておくと安心でしょう。

牧師が病人の元に到着したら聖餐式(せいさんしき)を始めます。
カトリックの場合の聖体拝領にあたる儀式で、牧師がパンとぶどう酒を病人の口に含ませ、聖書を朗読して家族とともに祈ります。
臨終の際にはプロテスタントでも臨終の祈りをささげます。

臨終を迎えたら、遺族は末期(まつご)の水をとります。
末期の水とは、息を引き取った故人の口元を水で潤すことです。
準備したガーゼや脱脂綿に水を含ませ、故人の唇を湿らせます。

ご臨終を迎えたあと、ご遺体を湯で清めて死に化粧を施します。
服装に定めはなく、手は祈りの形に組み、ご遺体の上には故人が愛用していた聖書を置きます

続いて納棺式です。
まず牧師が短い祈りをささげ、家族の手でご遺体を棺に納めます。
ご遺体に白い布をかけ、周りを白い花で埋め、棺は黒い布で覆います。
棺の枕元に小机を置き、白または黒い布で小机を覆い祭壇とします。
「十字架・ロウソク・遺影」を置き、生花を飾ります。
聖書を朗読し、牧師が「納棺の言葉」を述べ、賛美歌を合唱し、祈りをささげて式を終わります。

前夜式はお通夜に当たる儀式です。
納棺式のあとすぐに始めることが多いです。
式次第に決まりごとはありませんが、一般的には「賛美歌合唱→お祈り→聖書朗読→故人をしのぶ感話(かんわ)→お祈り」の順です。
式のあと、参列者に茶菓か簡単な食事をふるまい、故人との思い出を語る場を設けることもあります。

 

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キリスト教の葬儀から埋葬まで

カトリックでもプロテスタントでも葬儀は教会でするため、葬儀の日に棺を自宅から教会へ移動します。
移動前に神父もしくは牧師を呼び出棺式をします。
出棺式では神父もしくは牧師の指示で聖書朗読・出棺の祈りをささげます。

 

カトリックの場合


出典:カトリックさいたま教区

カトリックの葬儀では、故人の罪について神に許しを請い、キリストの再臨と死者の復活を祈ります
また、葬儀と告別式は別に行います。
葬儀は一般的に次のような流れで進みます。

入堂聖歌
入堂聖歌が流れ、神父が入堂します。参列者は起立で迎えます。
棺は一度入口で安置され、神父が聖水をそそぎ、祈りをささげます。
そのあと、棺と遺族が入場します。

開式の辞
神父が棺に聖水をそそぎ、祭壇と棺に献香します。
神父が開式の辞を述べ、葬儀の開祭を一同に告げます。
最前列に喪主、遺族が座り、その後ろに親族、続いて友人・知人などの参列者が座ります。

葬儀のミサ
「言葉の典礼」と「感謝の典礼」をします。
言葉の典礼では神父が聖書を朗読し、説教します。
参列者は全員で祈りをささげます。
感謝の典礼では遺族が祭壇にパンとぶどう酒をささげます。

次に、告別式の流れは次の通りです。

入堂聖歌
葬儀と同様の流れで、神父、棺、遺族が入堂します。

聖歌斉唱
参列者全員で聖歌を歌います。
聖歌の斉唱が告別式開始の合図となります。

弔辞弔電
故人の略歴や弔辞弔電が紹介されます。

献花
「牧師→喪主→遺族→親族→参列者」の順で献花をします。

遺族あいさつ
喪主が感謝のあいさつをします。
参列者が多い場合、献花後に先に退場できるよう、献花前にあいさつすることもあります。

ここまでが葬儀・告別式の流れです。
このあと、遺族が棺を持って霊柩車に運び、火葬場へ向かいます。
火葬場では、棺を花や十字架でかざります。
神父の祈りに続いて参列者一同が最後の祈りをささげ、祈りが終わると、火葬します。
骨あげは仏式やプロテスタントと変わりません。
骨壺は白木の箱におさめ、黒い布で包んで喪主が持ちます。

自宅には遺骨を迎えるための祭壇を準備します。
祭壇には遺影や十字架を置き、生花などで飾ります。
遺骨は納骨の日まで祭壇に安置します。
一般的に死後1カ月目の追悼ミサの時に納骨することが多いといわれます。

献花の作法について、下記の動画で解説されているので、参考にしてください。

 

プロテスタントの場合


出典:株式会社シャローム

プロテスタントでは、故人は天に召され神のもとで安らかにいるとされ、葬儀は神に感謝し遺族をなぐさめるために行われます
葬儀は聖書朗読や賛美歌斉唱、神への祈りが中心です。
また、葬儀と告別式を分けずに続けてするのも特徴です。

式は一般的に次のような流れで進みます。

入場
オルガン演奏の中「牧師→棺→喪主→遺族」の順に入場します。
参列者は起立して迎え、棺が祭壇に安置され遺族が着席したら参列者も着席します。

聖書朗読・祈祷
牧師が聖書を朗読し祈祷をささげます。祈祷の際、参列者は黙とうします。
その後、賛美歌を斉唱します。

説教
牧師が故人の略歴や人柄を紹介し、そのあと牧師による説教があります。

弔辞弔電
参列者に思い出話を語るような内容が多いのが特徴です。

祈祷・オルガン
参列者はオルガン演奏を聞きながら黙とうします。

告別の祈り・献花
牧師が祈りをささげ、参列者は賛美歌を斉唱します。
「牧師→喪主→遺族→親族→参列者」の順で告別の献花をします。
参列者が多い場合は献花を省略し一同の黙とうに変更する場合もあります。

遺族あいさつ
喪主が感謝のあいさつをします。献花の前にあいさつする場合もあります。

ここまでが葬儀・告別式の流れです。
このあと、遺族が棺を持って霊柩車に運び、火葬場へ向かいます。
火葬場では火葬前式をします。
棺の上に花や十字架をささげ、牧師が聖書を朗読し、故人のために祈ります。
遺族も一緒に祈り、賛美歌を斉唱します。
最後に故人に別れを告げ、火葬します。
骨あげは仏式やカトリックと変わりません。
喪主は骨壺を持って帰宅します。

遺骨は納骨まで自宅で安置します。
自宅で後壇を設け、故人の好きなものを供えてもいいでしょう。
このあと、牧師や親族と故人をしのぶ会を開くこともあります。

 

まとめ

キリスト教に死装束はなく、カトリックではロザリオを持たせることが、プロテスタントでは聖書を置くことが多いようです。
また、それぞれの葬儀には次のような違いがあります。

カトリック

  • 葬儀では死者の罪の許しを請い、復活を祈る
  • 葬儀と告別式は別にする
  • ミサを中心に荘重な儀式
  • 祭壇は装飾が多い

プロテスタント

  • 葬儀では神に感謝し遺族を慰める
  • 葬儀と告別式は続けてする
  • 形式にとらわれない自由なスタイル
  • 祭壇はシンプル

 

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