生活保護を受けて遺産相続の放棄はできる?不正受給と放棄できるケース

生活保護制度を受けている状態で身内に不幸があり、相続が発生したらどうなるのでしょう?

生活保護を受けたいからと言って相続を放棄はできるのでしょうか?

 

  • 遺産相続を秘密にすると不正受給とされる可能性がある
  • 遺産相続の放棄基本的に難しい
  • 負の財産が多い場合は相続放棄できることがある
  • 遺産相続をしても生活保護が継続するケースもある

この記事では、上記のような生活保護で遺産相続があった時の気を付けるべきポイントを解説します。

 

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生活保護を受給していると遺産相続の放棄は難しい

  • 遺産相続の放棄は基本的に難しい
  • 負の財産が多い場合は相続放棄できることがある

まずは、生活保護を受給した状態での相続放棄について解説します。

 

遺産相続の放棄は基本的に難しい

「生活保護法」は生活に困窮する人に対し困窮の程度に応じて必要な保護をして、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、「自立を助長すること」を目的として制定されています。

 

生活保護の要件についてです。

保護の要件等
生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。

資産の活用とは
預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充ててください。
能力の活用とは
働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください。

あらゆるものの活用とは
年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用してください。

扶養義務者の扶養とは
親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。

そのうえで、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用されます。
引用:厚生労働省

 

つまり「資産」「労働力」「あらゆる制度」「身内からの支援」を受けてもなお、最低生活費の基準を満たさない場合に生活保護を受けることができます。

 

近年の生活保護受給者数は200万人を超え、日本人の100人に1人は受給している状態となっています。

受給者の4割以上が高齢者であり、中には親や兄弟の死亡により相続人になる人もいるでしょう。

出典:生活保護制度の現状

 

もし遺産相続を受けた場合は、「生活の維持のために活用できる財産を取得」したとして、生活保護の受給は停止または廃止となります。

 

支給の停止・廃止を免れるために、相続放棄をするのも基本的にはできません

 

生活保護法の「保護の補足性(第4条)」では、保護の要件として「利用できる資産を生活の維持のために活用する」ことが定められています。

 

(保護の補足性)
第四条 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。

 

引用:生活保護法

 

遺産相続の放棄は「利用できる資産を活用していない」ので、保護の要件を満たしていないこととなります。

 

負の財産が多い場合は相続放棄できることがある

出典:相続サポートセンター

いかなる場合でも相続放棄ができないわけではなく、「生活の維持のために活用できる資産」なのかどうかが判断基準となります。

 

多額の借金など負の財産がある場合は、「生活の維持のために」どころか破綻してしまう恐れがあるため相続放棄ができます。

 

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生活保護の受給者が遺産相続をする場合

  • 生活保護の廃止と停止の要件
  • 遺産相続を秘密にすると不正受給とされる可能性がある
  • 遺産相続が分かった場合の相談先

続いて生活保護を受給した状態で遺産相続を受ける時のポイントを解説します。

 

生活保護の廃止と停止の要件

「生活保護法」の「保護の停止及び廃止(第26条)」では、「保護を必要としなくなったとき」に、保護を停止または廃止するとされています。

(保護の停止及び廃止)
第二十六条 保護の実施機関は、被保護者が保護を必要としなくなつたときは、速やかに、保護の停止又は廃止を決定し、書面をもつて、これを被保護者に通知しなければならない。第二十八条第五項又は第六十二条第三項の規定により保護の停止又は廃止をするときも、同様とする。
引用:生活保護法

 

停止と廃止のどちらになるのかは、収入や生活の状況に応じて異なります。

 

保護を停止すべき場合
  1. 臨時的な収入の増加等により、一時的に保護を必要としなくなったものの、6ヶ月以内に再び保護が必要となる状態が予想されるとき
  2. 定期収入の増加等により、一応保護を必要としなくなったと認められるが、その状態の継続が確実性に欠けるため、生活状況の経過をみる必要があるとき

 

保護を廃止すべき場合
  1. 定期的な収入の増加等により、特別なことが生じないかぎり、保護を再開する必要がないと認められるとき
  2. 臨時的な収入の増加等により、6ヶ月を超えて保護を必要としない状態が継続すると認められるとき

 

遺産相続を秘密にすると不正受給とされる可能性がある

生活保護を受けている間は収入の状況を毎月申告しなければなりません。

また臨時でも収入に変動があれば、福祉事務所に報告をする必要があります。

 

「少額の資産だから…」と自分で判断し申告せずにいると、受給にかかる調査があった際に不正受給とみなされるケースもあります。

 

相続が発生した場合は、少額な資産や不動産でもまずは相談するのが無難です。

 

遺産相続が分かった場合の相談先

生活保護の相談・申請窓口は、住んでいる地域の福祉事務所の生活保護担当です。

 

市や区では市区役所が福祉事務所を設置しており、町村部では都道府県が設置しています。

福祉事務所を設置していない町村では、町村役場でも申請の手続きをすることができます。

 

生活保護を受けた人が遺産相続した場合について、下記の動画でも解説しています。

遺産を相続した場合に返還はどうなるのか

 

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遺産相続をしても生活保護が継続するケースもある

  • 住宅を遺産相続した場合
  • 流動性の低い不動産などを遺産相続した場合

最後に遺産相続しても生活保護が継続できるケースを解説します。

 

住宅を遺産相続した場合

出典:日本住宅販売

生活保護を受給していても、以下の資産は保有することができます。

  • 居住用に必要最低限な資産
  • 事業用に必要最低限な資産
  • 処分することが出来ない資産
  • 又は処分することが著しく困難な資産

住宅を遺産相続した場合、居住用として取得するのであれば生活保護を継続することができます。

 

流動性の低い不動産などを遺産相続した場合

流動性の低い不動産などは「処分することが著しく困難な資産」として、生活保護を受給したまま保有することができます。

 

たとえば草木の生い茂った土地や農地などは、整理するだけでも費用と時間がかかり、買い手を見つけるのは難しいでしょう。

 

古い住宅でも同じことが言え、買い手が見つからないため価値がないと判断され、生活保護の受給停止にならないケースがあります。

関連記事不動産を相続した時の確定申告について、下記の記事で解説しますのでご興味あればご覧ください。

【徹底解説】不動産を相続したときの確定申告と相続税申告の注意点
この記事では、不動産を相続した場合の確定申告や相続税の申告に関する注意点について詳しく解説します。不動産を相続した方や将来的に相続する可能性がある方はぜひ参考にしてください。

 

まとめ

  • 生活保護制度は受給の停止・廃止を理由に相続放棄することは基本的に難しい
  • 「相続した資産が少額だから」と申告しなかった場合、不正受給とみなされることがある
  • 住宅や土地など取得した資産によっては、遺産相続しても生活保護を継続できるケースがある

もし何らかの理由で生活に困ったとしても、誰しもが社会復帰できるよう設けられたのが生活保護制度です。

 

適切に利用するのも国民のあるべき姿ですので、制度を理解して関係機関に相談しながら進めるのが大切です。

 

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